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ジャン=ルイとミシェル、金型製造職人

ジャン=ルイとミシェル、金型製造職人

ニュファクチュールのメカニック アトリエ。我々が今いるのは、ジャン=ルイとミシェルの作業場です。2人の年齢を合計すると84歳。これまでに彼らの手によって、ゼニスのタイムピースを動かす部品の製造に用いられる多数の道具が誕生してきました。実は、ゼニスの職人たちが必要とする道具は、それぞれの作業に特有の問題を考慮に入れ、左利きの人と右利きの人に合わせながら、現地で製造されているのです。

ジャン=ルイとミシェル
2人の年齢を合計すると84歳

アトリエの奥では、ステンレススチールや真鍮の地板の加工に用いられる、硬質金属製の道具が作られています。一方棚の上には、金型、特にシャルル・ベルモが1975年に破壊から救った金型が保管されています。金型はまさしくジャン=ルイの得意分野です。メーカーが提供した技術図面を元に、彼は時計の様々な部品を切り抜き、穴を開け、研削することができる、主要な2つのパーツ(押抜き具と母型)で形成される高精度の道具を設計・制作します。金型ができあがると、ジャン=ルイは試しの打抜きを行い、製造された部品の品質を確認します。部品は非常に小さく、顕微鏡で見るようなレベルのものもあり、最少のものは1.3㎜で重さはわずか0.001グラムです。

ジャン=ルイ、金型製造職人

ジャン=ルイ、金型製造職人


ミシェル、金型製造職人

ミシェル、金型製造職人


歴史に残る金型

歴史に残る金型


そのため精度が何よりも大切で、組立てられた全ての部品が完璧にかみ合い、ムーブメントの正常な歩度が保証されるためには、0~2ミクロンです。
時にはジャン=ルイは、昔の金型を用いることもあり、これらの金型に新たな命を吹き込みます。そして母型が完全に手作業で制作されていた、それほど遠くはないこの時代のことを思い出します。
ミシェルもまた、職業の変遷を目の当たりにしてきました。彼は、完全に独立した選択が行えるように、製造の全工程を自社内で一貫して行う非常に数少ないマニュファクチュールの一つで、これほど長く仕事をしていることを誇りに思っています。
たとえば、時間を15分の1近く短縮できる刃を用いたテクニックの一般化にもかかわらず、パーツの寿命を最大限に長くすることを可能にする押抜きの手法を守っています。そのためミシェルは、当時の道具を用いて、押抜き具を根気よく製造しています。しかし彼は、新しい手法を最初に使用した一人でもあります。

製造の全工程を自社内で一貫して行う
非常に数少ないマニュファクチュールの一つで
仕事をしていることを誇りに思っています。

完璧な止まり穴を開けるための放電加工、完璧な形状に仕上げるためにプラスでもマイナスでも同様にうまく加工することができる、数値制御工作機械などがその一例です。
そしてミシェルは、これらの技を熟知しています。なぜならば彼は時計職人たちが用いる道具を、既に数えきれないほど多く手がけてきたからです。組立ての際にムーブメントを固定するのに用いる道具、特殊なドライバー、地板に石を取り付けるための特別な道具、筒カナを維持するためのペンチ、さらにはクロノグラフの針をリセットする役割を果たす、歯の中に取りつけられたピンを備えたこの"自家製の"ハートカムなどを彼は製造しました。


どんな道具を開発しようとも、メカニック アトリエの中には、常にメカニックの知識とメカニックへの熱い想いが感じられます。マニュファクチュールのまさに特徴である、非の打ち所のないほど完璧に実現された仕事への情熱です。